2016年5月26日木曜日

5月26日、ミリからティオマン島へ

現在、マレー半島東側のティオマン島のマリーナに居ます。
 
5月17日の午前7時半、ミリを出港。

西に向かいます。
当初はボルネオ島の西端まで島を伝って行き、西端のどこかで給油して
燃料満タン、500リットルを積んで、海峡を渡る予定でした。

が、慎重なる調査、検討の結果、(といっても他のヨッティー数人からの
話を聞いて決めただけですが)ミリからインドネシアの島に寄って休みながら
直接ティオマン島に向かう事に決定。
 
最初は3泊4日間走り続け、インドネシアのスマラン島で1泊。
次は2泊3日間走り続けて同アイラブ島。ロマンチックな名前ですね。この島、で1泊。
最後は1泊2日でマレーシアのティオマン島着。ここまで給油できる場所はありません。
 
心配ネタは、燃料が持つか? 距離は630マイル、1167Km。
すでに南西モンスーンの初めに入っており、南西寄り、つまり向かい風の
可能性があります。すると、機帆走、又は機走の機会が増える。さらに
波が高いと燃料消費が多くなる。大丈夫か?という事です。
 
出て、いきなり向かい風。エンジンをブンブン廻します。
翌日18日は虹が正面に出て虹に向かって走りました。

まるで天国に向かっているみたい。
19日は久々にイルカの一家が並走してくれ、オーバーナイトセーリングの疲れを癒してくれます。

 
20日、最初のランドフォール!島が見えたぞ。スマラン島です。教えて貰った泊地に向かう途中に
綺麗な白砂の小島が右手に見えてきました。

泊地に近づくとヨットが1艇錨泊しています。近づくと、なんと、4日前、同じミリマリーナを出港したアステリア号が見えてきました。
彼ら、フィンランド人のヤリさん、チリ人のダマリス夫妻の船です。この泊地を教えてくれたヨッティーです。

隣の水深10m地点に錨を降ろします。
 
21日の朝に出港。しようとした所、錨が岩に咬んだ様で、なかなか抜けません。あっちに走り、こっちに引っ張って何とか
抜けました。錨の表面に傷が付いていました。
西に向かいますが、途中で手作りクッションが落水。
午後3時過ぎに大きな雨雲に取り囲まれ始めました。
前帆を巻き、主帆を2ポイントリーフにして備えます。
 
それまでの南風が西風に変わり、風が冷たくなり、強くなってきます。
来るぞ。来ました。じゃじゃん。
強烈です。20ノットを軽く超え、30ノットを越え始めました。
正面からの風と波で進まないので、進路を少し北に変え、波に斜めに進み始めて
間もなく、風神の手で、それまで風を受けていた主帆が引き裂かれました。
風速計は40ノットを越え、45ノットの数字も出ています。
外は4m位の波で波頭は真っ白に渦巻いています。
 
考えているのは、船をこれ以上壊さないにはどうするか、更に風が吹きあがったら
どうするか?の2点のみ。
 
この北向きの方向だと、風下4マイルに島がある事が解りました。前進していれば
かわせますが、何らかのトラブルで前進が停まると、流されて座礁のリスク有り。
ぞっとします。
 
波が低い時を狙ってエンジンフル回転で船首を左に回転させ南に向けます。
操縦席は右側なので、今度は雨風が直撃。カバーはしていても、あっという間に雨と潮でびしょ濡れ。
アドレナリン120%体内放出ですね。セールは更にびりびりと裂かれていますが
危なくてデッキに出て下ろすことは出来ません。
写真撮影の余裕なし。
 
2時間位後でしょうか。風速が20ノット台に落ちてきました。強風の20ノットが軽風に感じます。
オートパイロットが効き始めたので、デッキに出て哀れなセールを降ろします。
ハワイを出港後、4年と少し、Uminekoを押し続けてくれました。半年前からは紫外線による劣化で
手で強く引くと破れる所も出ていました。大往生です。ありがとう、ここまでよく耐えた。
 
今日は朝は錨が抜けず、クッションの落水、主帆の臨終と良くない事3連荘。
2011年のハワイトレーニング時の最終日を思い出しました。
あの時は、走錨、乗員落水、キャビンの底抜けでした。
 
風は徐々に落ちるものの、大きな波が残って正面から当たります。両エンジンフル回転で3ノット。
燃料が心配です。
 
夜になって波も小さくなり、風、波が南南西に変わりジブセールが使える様になりました。
 
22日も前線が右から寄ってきます。レーダーと現物がこういう感じです。



 
23日、ランドフォール。アイラブ島が見えるぞ!

泊地探しの途中で、地元の漁船から魚を3匹頂きました。ハゲの類です。
煮魚になりました。


ここは、一説ではインドネシアのボラボラ島。それらしい形の山は無し。
広いリーフに囲まれているわけでも無し。
 
一カ所、小さな小島があって、その周りが浅く、ライトブルーに輝く綺麗な所を
発見。そこの6m地点に錨を降ろします。


夜に満月が島の山の頂からあがりました。バットマンが出てきそうな夜でした。

 
翌24日は最後のオーバーナイトセーリング、ティオマン島までの130マイルです。
途中、ひょっこりひょうたん島らしきものを発見。近寄ると岩だらけのおどろおどろしい島でした。



 
25日朝、走りながら見る最後の朝日を楽しみます。

ティオマン島が見えてきました。
南側を通ると特徴的な尖った岩が見えます。

くるりと島の南を廻り、西側にあるマリーナに向かいます。
スペース少なく、ラッキーであれば空きがあるというマリーナです。

 
ラッキーでした。フェリー桟橋の反対側に入れる事が出来ました。
島のメインストリートはこういう感じ。

よく騒ぐガチョーがいました。

マレーシアで一番海の綺麗な島ですが、うまく行っていないビジネスも散見
されます。
給油は桟橋に置いてあるプラスチックのドラム缶から入れて貰います。
1リットル3.5リンギット。

 
破れたセールを上げてみました。見事にびりびり。未練無しの状態です。


 

今日はマリーナを出て小さな島に向かいます。

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